スカルプトってなに?
3DCGとかが趣味でない人からすると、「スカルプトってなに?」ですよね。近年、標準的になってきている技術なんですが、いまやハリウッド映画には欠かせないものとなっています。
スカルプト(sculpt)とは、彫像を作るとか、彫刻するという意味です。これまでの3DCGは、点と点をつなげて面を貼って形を作るというのが一般的でした。
そこに彗星の如く登場した技術がスカルプトです。これはデジタルの世界で、粘土をこねるようにして、直感的に形を作っていけるというものです。
スカルプトができるようになったおかげで、特に生物のような有機的なものの表現力が格段に向上しました。その流れを作ったのが、ZBrushというスカルプト専用ソフトです。(英語だと、「ジーブラッシュ」、日本語だと「ゼットブラシ」とか呼ばれてます。)
元祖スカルプトソフトZBrush!!
ZBrush開発元のサイトには、驚異的にリアルな作品がてんこ盛りに掲載されているので、興味のある方は是非、ご覧ください。本当にスゴイです。
YouTube では、ZBrush のデモが多くアップされています。こんな感じでコネコネしながら、超絶リアルなものを作れるソフトなんです。
このソフト、技術の革新性も驚異的なら、ユーザーフレンドリーさも驚愕もので、発売以来、5回ぐらいはメジャーアップグレードしていると思いますが、一度もアップグレード料金をとっていないんです!
初期の頃に安価に購入した人は、その後、一度の追加費用も払うこと無く最新バージョンが使えています。新規価格は、最近は円安の影響もあって、日本で購入すると10万円近くしますが、機能から考えれば、妥当かもしれません。
また、ZBrushの開発元が買収したSculptrisというソフトは、無料で提供されています。ZBrushほど高機能ではありませんが、腕に自信がある人なら、結構なものが作れちゃいますよ。
http://pixologic.com/sculptris/
NewTekからもスカルプトソフトが!!その名もChronoSculpt!!
NewTekは、LightWave3Dという、3D野郎達にはお馴染みの3DCGソフトを開発している会社なんですが、その会社から意表をついて、ChronoSculptというスカルプトソフトが発売されました。
https://www.lightwave3d.com/chronosculpt/
ZBrushが現在のように進化して以来、他社からもスカルプト専用ソフトが発売されたり、従来の3DCGソフトにもスカルプト機能が取り入れられるようになりました。しかし、今回のNewTekのように、3DCGソフトを作っていた会社が、本気のスタンドアローン版のスカルプトソフトを発売するのは初めてじゃないでしょうか。
他には無い機能もありそうで、興味津々でございます。
ついにはWebでもスカルプトとな!!
極めつけは、WebGLの技術を使って、ブラウザでスカルプトが出来てしまうというSculptGLです。会社のノートパソコンでも、それなりに軽快に動きました。ここで作ったデータは、3DCGソフトで開ける形式で保存もできます。いやもう、すごい世界になってきましたね。
いわいの作ったなにか。ウェブでこんなのが、10分ぐらいでできちゃいます。ちなみに、設定があるかもですが、Safariだとうまく動作しなくて、ChromeならOKでした。
3Dプリントで作品を作る場合、機械の部品のようなものは、3DCGやCADのソフトが向いているわけですが、生物のようなものは、スカルプトの方が向いています。
子どもでも、なんとなく形は出来てしまいますしね。今後、3Dプリンタが普及価格帯になってこれば、ウェブで子どもが粘土感覚で作ったものを、3Dプリンタで印刷したりなんて流れにもなりそうです。リアル粘土じゃなくて、デジタル粘土が当たり前になったりするのかも。
この分野からは今後も目を離せないな~